離婚に際する公正証書作成のすすめ
京都市中京区所在の西谷・三田村法律事務所の弁護士の西谷拓哉です。
さて、離婚を検討されている方につきましては、特段揉める要素がなく、離婚調停や離婚裁判をすることなく、離婚が可能という方もいると思います。
しかし、離婚時に養育費や財産分与についての争いがなくても、離婚後その支払いや履行が滞ることがあります。
その場合は、養育費の調停や、財産分与義務の履行を求めて訴訟などを起こさなければ、強制的に相手方に支払いを求めることはできません。
そこで、可能であるならば、当事務所では、離婚時に争いがなくても、合意した内容を公正証書の形で残すことをおすすめしております(※俗に離婚の際に作成される公正証書を「離婚給付等契約公正証書」といいます)。
この場合、養育費を支払う夫側に、公正証書作成に際して「甲(夫)は、本証書による金銭債務を履行しないときは直ちに強制執行に服する旨陳述した」と公証人に陳述した旨を記載してもらえば、後に夫からの養育費の支払いが滞った場合でも、養育費の調停などをすることなく、強制執行をすることが可能となるのです(強制執行受諾文言と呼びます。なお、細かい話になりますが、公正証書に対する「執行文」付与等の手続きは必要です)。
この強制執行受諾文言付き公正証書を事前に作成しておくメリットは大きいです。
※なお、不動産の明渡しや、金融機関への住宅ローンの支払いの強制執行などの受諾を予め公正証書ですることは認められておりませんので、この点は注意が必要です。
当事務所では、離婚給付等契約公正証書の作成の相談も随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。