婚姻費用請求の現状について
京都市中京区に所在の西谷・三田村法律事務所の弁護士の西谷拓哉です。
夫の不貞が発覚したり、夫婦生活のすれ違い等から、離婚したいけれども当面の生活が心配で離婚の話し合いを切り出せないという女性も多くいることと思います。
離婚が成立し、未成熟のお子様の親権を取得した場合には養育費や、児童扶養手当・医療費助成制度の公的給付による支援も考えられるところです。
ところで、離婚成立するまでの間、夫婦間には、夫婦が同程度の生活を続けるためにお互いを扶養する義務があります。そのため、収入が多い側が少ない側の生活費を分担する必要があり、これを婚姻費用の分担と言います。
婚姻費用の金額については、夫婦それぞれの収入やお子様の数や年齢等により変わってきます。現状は、具体的な金額は家庭裁判所の婚姻費用算定表によって算出されることとなっています(参考URL:http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/)。
この裁判所の婚姻費用算定表による計算金額は、額が少ないという問題があり、我々が加盟している日本弁護士連合会も、婚姻費用を引き上げるための意見書等を提出しているところで、平成28年11月、婚姻費用の新算定表を作成し発表するなどしているのですが、現状では、家庭裁判所の婚姻費用算定表が使われ続けているという現状があります。
この点、最高裁判所の研修機関である司法研修所が、養育費算定の見直しを、昨年度から進めているとの話があり、早期の改善が望まれます。
なお、婚姻費用の発生時期は、相手に対して請求したとき(なお、この「請求」の時期は調停の申立時とされる例が多いです)とされていますので、当事務所では、別居する前から弁護士に相談し、別居と併せて婚姻費用の請求を行うことをお勧めしています。
当事務所は同居されている方の離婚相談もお受けしています。別居にあたりアドバイスできることもあると思いますので、お気軽にご相談ください。