法律相談に行くタイミング

京都市にある西谷・三田村法律事務所の弁護士の西谷拓哉です。

今回は、「法律相談に行くタイミング」についてお話したいと思います。
個人のお客様が法律相談に行かれるタイミングとしては、時系列で言えば、
下記のようなタイミングがあると思います。

①…まだ、法律問題は起きていないが、将来起きるかもしれないという漠然とした不安を抱えている段階(例:両親が近いうちに亡くなりそうだが、兄弟間で折り合いが悪く相続で揉めそう…など)。

②…法律問題が発生して、すぐの段階(例:すぐ返すからと言われて知人に貸した金が返ってこない…など)。

③…法律問題が発生して、自分でしばらく交渉を続けたり、ある程度時間が経過した段階(例:交通事故の被害者で、加害者側の保険会社の担当者と交渉を続けてきたが、「この事件ではこの金額しか払えない。」と言われて低額な損害賠償金額を呈示された…など)。

④…法律問題が発生して、さらに裁判所に訴えが起こされるなど法的闘争に発展した段階(例:賃料の支払いが長らく滞って、賃料の支払いの督促があったけれども、払えないでいる内に訴訟を起こされた…など)。

まず、①の段階ですが、まだ問題は起きていないんだから、法律相談には行かなくてもいいだろうと考えられる方もたくさんいると思います。しかし、問題が起きる前であれば、法的にさまざまな対策を打っておくことも考えられます(例でいえば、遺言を作っておくなどが考えられます)。ぜひ、臆せずに法律相談に来てもらいたいと考えています。

次に、②の段階ですが、このタイミングが問題が起きてしまった後に、法律相談に来られるタイミングとしては一番ベストだといえます。早いうちから弁護士がアドバイスすることで、適切な証拠を残しながら交渉を進めるなどの作業も行うことが可能になるからです(例でいえば、内容証明郵便という記載内容が証拠になる手紙を使い、知人に対して請求書を送ります。)

そして、③④の段階ですが、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。というのも、法律の専門家でない個人のお客様ご本人が交渉を進められると場合によっては、法的に言わない方が良いことを言ってしまっていたり、きちんと証拠に残る形で相手方に手紙を送るべきなのにしていないなどの不備があることが多いからです。あとで、④の段階に進んだ場合に、不利益になる可能性もありますし、④の段階においても、法的に裁判所に伝えておかなければいけない事柄が言えていないなどの問題が起きる可能性があります。そのため、③④の段階では、早めに弁護士に相談されることをお勧めします。

 以上より、私の個人的な意見にはなりますが、できれば①の段階で相談に来ていただいた方が良いですが、少なくとも②の段階になったら一度は弁護士の無料法律相談や有料法律相談を利用して頂ければと思います。

 次のコラムでは無料法律相談と有料法律相談どちらがいいの?というテーマについて回答しようと思います。

おわり

弁護士バッジ